デジタルしか知らない若い世代のデジタル写真を、 「乾いて冷めた感触」「肉体がない」と森山大道は評しました。 液晶を確認しながら撮る撮影スタイルが、その理由ではないかということですが、 ベテラン作家のデジタル作品からは、 その特有の浮遊感や「肉体の不在」があまり感じられないことからも、 そう評される理由が決して技術的なものだけではないことは確かなことす。 これが、「いまの時代のリアル」なのではないか。 その記事を読みながら、ぼくはそんなことを考えていました。 蓮沼執太くんの最新CD「ポップ・オーガ」を聴いています。 YMO、コーネリアス、レイハラカミなど、 偉大な先達たちの血を無意識に受け継ぎながらも、 果敢に進化を求め続ける蓮沼執太くん。 どこか日本の情景が浮かぶ美しい間尺はそのままに、 さらに進化した緻密でリズミックな音作りで、 ぼくらに全く新しい景色を見せてくれています。 電車の窓からは 朝陽を照り返して光るビルの壁が 夢と現実の境界をあいまいにしています。 その光に向かって飛んでいきたい気持ちに ぼくはなってしまうんだけれど、 決して手が届かないことも もう知ってしまっているのです。 少しの幸せと 少しの悲しみと 恋人のことや 仕事のこと。 毎日のいろんなものたちが、 携帯や財布やⅰ-podなんかと一緒に バッグの中に揺られています。 そしてぼくのポケットには ほんの少しのポジティブが、 いつもぼくをノックしているのです。 驚きと賞賛で迎えられた1st、2ndアルバムの世界に安住することなく、 果敢に進化を求めたこの最新アルバムが、 現在進行形の軽やかさを讃えながらも、 同様の美しさを脈々と受け継いで鳴らされているのも、 現在が過去の集積であることを考えれば、当然のことなのかもしれません。 そして現在はまた、次に来る偉大な未来の礎となっていくのでしょう。 デジタルしか知らずに育った若い写真家たちは、 いま、味のあるトイカメラを 新たな表現手段として発見し、 デジタルと銀塩の両方を、 軽々と使い分けながら 表現するようになっています。 アナログな手法を手に入れた デジタル世代の彼らが表現する 新しい世界観に、 ぼくらはまた注目せざるを得ません。 逆輸入された日本の若きPOPマエストロ、蓮沼執太くん。 エレクトロニカに分類される彼が、いま最も力を入れている表現が、 やはりアナログな手法、バンドによるパフォーマンスだといいます。 富山ライブの定員が、 残り僅かになってきました。 アジアツアーを直前に控えた彼の、 アコースティック・セットによる特別なライブになります。 ぼくらは音楽の「いま」を、目の当たりにすることでしょう。 蓮沼執太ライブ 2009.2.20(金)20:00開場 /20:30開演 前売り ¥2.000(1D) 当 日 ¥2.500(1D) LIVE ■蓮沼執太(TOKYO) /蓮沼執太チーム(蓮沼執太・斉藤亮輔) ■smoug(TOYAMA) チケット取扱店 ■CAFE nowhere 076-466-5537(婦中町) ■CAFE Here we are! 45 cafe 076-436-6249(呉羽町) ■CAFE Switch Sweets Cafe 0766-24-3270(高岡市) ■MUSIC & ZAKKA Lykkelig 076-262-4511(金沢市) 限定50名。 完売間近です。 お急ぎください。
by nowhere-else
| 2009-02-10 11:11
| 音楽やイベントのこと
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