契約農家の山崎さんの3年前の写真をネットで見つけた。
日に焼けて、いつも長めの白髪をなびかせているワイルドな今の山崎さんに比べると、 その山崎さんはどう見ても普通の疲れた(笑)おじさんだったので、 昔に比べてなんだか若返ったんじゃないですか、なんて聞いてみた。 すると山崎さん嬉しそうに、いま小学生が友達だからじゃないかな、なんて。 小学4年生になるお子さんの同級生たちとはもうすっかりお友達で、 いまでは我が子がいなくてもお呼びがかかり、 同級生のお誕生会には山崎のおじちゃんがケーキを焼くなんていう、 なんだか微笑ましい状況になっているそうだ。 そんな山崎さんが野菜を作っていたのだから、 小さなお友達みんなで野菜作りにチャレンジしよう、 なんていう発想が生まれてきたのは、 ごくごく自然な成り行きだったのだと思う。 たまたま最初煮物で食べさせたから 甘みが増して余計美味しかったのもあるだろう、 なんて謙遜しながら、 ネギ嫌いの子供が 畑を手伝いはじめてから ネギが好きになったのだと、 山崎さんは嬉しそうに話す。 自分が手をかけた野菜には、 きっと子供たちがそれまで知らなかった美味しさが隠れているのだろうな。 いまではその子、鍋の中を掘り返して我先にとネギを食べるようになったそうだ。 美味しさというのは「味」だけで成り立っているものではないようだ。 想像力に乏しい僕や、きっと今の子供たちの多くが、 スーパーに並ぶ野菜にどれだけ思いを巡らせてみても、 農家のおじさんの顔や、その苦労や喜びはなかなか浮かんでこないように思う。 それはきっと「自分たちが食べるものは自分たちで作る」当たり前の生活文化から、 僕らがずいぶん遠くに来たせいだ。 命を育くむという経験を、 子供たち、 そして僕ら自身により多く与えてあげることが、 目には見えない豊かさや思いやりを、 僕らが取り戻していく大きな力となるような、 そんな風に思えてくる。 庭のハーブ畑から、 昨日ローズマリーとセージを収穫した。 定番の鳥レバーのパテを、いよいよはじめて自分の育てたハーブで作る。 露地栽培のハーブは、スーパーに並んでいる上品なハーブと違って 枝も太くて野性味が強いように思う。 最初はひょろりとしていた苗がどんどん太くつややかに、 そして葉を増やしていく様子は、とても愛おしいものだ。 葉をつまんで細かく刻んでいくいつもの作業にが、思いの外楽しいものになった。 美味しさもひとしおに違いない。
by nowhere-else
| 2011-06-25 08:19
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