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欲望のために犠牲になった人たちに。

猛烈な熱風と炎が迫ってきたら
人は地上数百メートルの空を飛ぶんだってことを
ぼくはそのとき初めて意識したような気がする。

当時ちょうどテロの現場の目と鼻の先で仕事をしていた友人が、
その様子を詳細に話してくれたのだが、
空からバラバラと人が降っていく(ように見える)TVの映像と相まって
それはぼくから離れようとしない。

死ぬと分かっていながらビルの窓から足を踏み出すその想いとは、
いったいどれほどのものか。
涙を禁じえない。

あれから7年。
世界はどう変わったか。
欲望のために犠牲になった人たちに。_a0050955_714165.jpg

テロ根絶を訴えて
侵略を繰り返したブッシュのおかげで、
テロはますます高度に、
そして激しさを増した。
いまでは事件そのものが、
石油ビジネスを基盤とする
ブッシュの陰謀だったとする説が
世論の1/3を占めるまでになった。


テロ根絶の戦いは、むしろテロを正当化する戦いになってしまったように感じる。
おかしなはなしだ。



ある国では、
一部の独裁者が、
欲望のために犠牲になった人たちに。_a0050955_7511861.jpg自分の利益のために、
国民すべての命を危険にさらし、
またある国では、
国民のためのものであるはずの政治が、
政治家たちの
たんなる権力闘争の手段として
利用されているように感じます。


欲望のために人のものを奪ったり
誰かを犠牲にしたり、
友人をおとしめたり。
そんな世界にはもううんざりです。

自分がそんな世界の一部であることにも。


戦争や政治やエネルギー問題はとてもグローバルな問題で、
ぼくらからとても遠いことのように思えます。

でも目を凝らせば、
それはぼくらのちいさな奪い合いと、
なんら変わらないことに気づきます。
欲望のために犠牲になった人たちに。_a0050955_7535055.jpg国から奪うも、
人から奪うも、
同じことです。


今日ぼくは、
ひとから奪わなかっただろうか。
傷つけなかっただろうか。
おとしめなかっただろうか。

世界などしょせん、
ぼくとあなたの、家族の、地域の、延長です。

思いやりを忘れずに
ゆきましょう。
そしてあきらめることなく
ゆきましょう。



隣人を思う小さなサークルが、いくつも重なりあって広がって、
やがて世界を覆いつくしてしまう日を夢に見ながら、
欲望の犠牲になったひとたちのために
祈りたいと思います。
by nowhere-else | 2008-09-13 07:55 | いろんなこと
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