猛烈な熱風と炎が迫ってきたら 人は地上数百メートルの空を飛ぶんだってことを ぼくはそのとき初めて意識したような気がする。 当時ちょうどテロの現場の目と鼻の先で仕事をしていた友人が、 その様子を詳細に話してくれたのだが、 空からバラバラと人が降っていく(ように見える)TVの映像と相まって それはぼくから離れようとしない。 死ぬと分かっていながらビルの窓から足を踏み出すその想いとは、 いったいどれほどのものか。 涙を禁じえない。 あれから7年。 世界はどう変わったか。 テロ根絶を訴えて 侵略を繰り返したブッシュのおかげで、 テロはますます高度に、 そして激しさを増した。 いまでは事件そのものが、 石油ビジネスを基盤とする ブッシュの陰謀だったとする説が 世論の1/3を占めるまでになった。 テロ根絶の戦いは、むしろテロを正当化する戦いになってしまったように感じる。 おかしなはなしだ。 ある国では、 一部の独裁者が、 自分の利益のために、 国民すべての命を危険にさらし、 またある国では、 国民のためのものであるはずの政治が、 政治家たちの たんなる権力闘争の手段として 利用されているように感じます。 欲望のために人のものを奪ったり 誰かを犠牲にしたり、 友人をおとしめたり。 そんな世界にはもううんざりです。 自分がそんな世界の一部であることにも。 戦争や政治やエネルギー問題はとてもグローバルな問題で、 ぼくらからとても遠いことのように思えます。 でも目を凝らせば、 それはぼくらのちいさな奪い合いと、 なんら変わらないことに気づきます。 国から奪うも、 人から奪うも、 同じことです。 今日ぼくは、 ひとから奪わなかっただろうか。 傷つけなかっただろうか。 おとしめなかっただろうか。 世界などしょせん、 ぼくとあなたの、家族の、地域の、延長です。 思いやりを忘れずに ゆきましょう。 そしてあきらめることなく ゆきましょう。 隣人を思う小さなサークルが、いくつも重なりあって広がって、 やがて世界を覆いつくしてしまう日を夢に見ながら、 欲望の犠牲になったひとたちのために 祈りたいと思います。
by nowhere-else
| 2008-09-13 07:55
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