長い間会っていなかった友人にばったり会ったんだけれど、
それがスーパーのレジのまん前だったもんだから、 ちょっと迷惑かな、なんて気になりつつも、 人がそんなことしていたら、何だよ脇でしゃべれよ、なんて思うくせに、 久しぶりなのもあってか意外と話が盛り上がってしまって、しばし話し込む。 しまった一瞬気を失ったと我に返って、せいぜい2、3分のことですからご勘弁をなんて、 誰にでもなくひとりごちて、立ち話も何ですからって感じで、雰囲気をかもし出して、 じゃあちょっとこっちになんて言いながら、脇にそれた。 ちょっとしたすれ違いで話をしなくなって、 思えばもう3年ぐらい連絡もしなかった人だ。 今思うとちょっとしたことなのに、 あのころは二度と会うかこんちくしょう、 な出来事だったんだな、お互いに、これが。 会わない間にお互い病気をしたり、 生活に小さい変化があったりしていた。 結構この人とは気が合うんだよね。 時間は岩を削る雨風のように 生の老廃物をこそぎ取っていって、 残ったのは波打ち際にぽつんと立っている岩。 風雪にさらされて波に削られてミルフィーユみたいな帯状になった、やつだ。 感想は、まぁきれい、勇壮、以上、みたいなシンプルさ。 このブランクは必要なかったんじゃないか、と思った。 肩の荷がひとつおりたような気持ちになった。 また話せてよかった。 そしたら15年くらい会っていない友だちを思い出した。 そいつに会いたいんじゃないかな、 どこかで、もしかしたら俺、 なんて思った。 スーパーのレジの前で。
by nowhere-else
| 2011-02-11 12:37
| いろんなこと
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