忍び足でやってきた割に 冬はやけに慌しく急ぎ足で行ってしまうから、 気がつくとすっかり春になっているわけです。 普段お店からあまり出ないので、 季節の変化はお客さんの服装でまずは知ることになるだけれど、 色彩も豊かにそして軽やかに変わっていく女性に対して、 男性のファッションがまるで冬を引きずっているように ほとんど変わらないことが、 なんだか穏やかなようでいて、物悲しいようでいて、 とても興味深くもあります。 今年の冬は雪がよく積もって冬野菜が不作だったけれど その反動のように春の野菜がよく採れます。 それこそ慌しいくらいにぐんぐん成長して、どんどん収穫されている様子。 そんな春のお勧めスパゲティは、 春野菜たっぷりのアンチョビオイルのスパゲティ 数えてみたら 6種類の野菜を使っていました。 菜の花・春キャベツ・春菊 水菜・赤軸のほうれん草・しめじ。 菜の花は、 春の香りを感じてもらえるように 下湯では茎の部分だけ。 水菜も春らしさを強調したくて、 あえて花の咲きかかった「とう立ち」のものを。 でもうちの農家さんの水菜、 普通のものでも繊維がしっかりしていてとても美味しいので、 そろそろ普通に戻そうかな。 春菊はあの苦味が全くなくって、むしろ甘いくらい。 アンチョビオイルは、アンチョビの塩気の加減がすべてなのですが、 野菜をたっぷり使うと塩気が野菜に吸われてしまうので、 いつもより調整が難しくなります。 アンチョビとソースを調整するゆで湯の量の バランスが大切ですね。 ぼくの理想は、 薄味なのにしっかり素材の味がする、そんな味付けでしょうかね。 塩はやっぱり シチリアの塩が一番です。 食事もファッションも、 春には春のものを楽しみたいものです。 こんなときに、女性がちょっと羨ましくなります。
by nowhere-else
| 2010-03-24 16:16
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